前55話を1頁でなんちゃって解説!

・・・という、冗談はさておいて。。結構前にお絵かきブログでふざけて描いたものです(笑)いつも閲覧くださり、ありがとうございます!更新が滞っておりまして誠に恐縮です。夏休みにはしゃぎすぎたのか、体を壊してしまいました。今現在、体調不良により、定期的な管理と更新の見込みが立たないため、誠に勝手ながら、しばらく更新をお休み致します。次回更新予定は、追って当ブログでご報告致します。このまま死なない限りは、...

陰蝕の鬼 - 五拾五 -

―  もしも恭一郎さまが、心変わりしなたらば…真砂は手にした賽を投げた。「四!」「あかん、やっぱり真砂には勝たれへんわ」良太が、ころころと笑いながら、版の上の駒を動かした。「うーん、どないしたらそないに上手いこと振れんのかなあ?」床の賽を拾いあげ、掌の上で転がしながら、独り言のように言った。良太が怪我をした日以来、茶屋は一日休んだけで、開けるには開けていたが、この人数の少なさでは、芝居もままならない...

陰蝕の鬼 - 五拾四 -

―  何故、あの時、茶屋を出てしまったのだろう―  結局、私はあの頃から何も変わっていない。   日頃、慎ましくと心に掛けても、ほんの小さな切欠があれば、   忽ち正体を表してしまう。   死んですら改まることはなかった、嫉妬深く醜く、浅ましい性分を…真砂は、吐きかけた溜息を飲み込んだ。恭一郎は、誰にも言わぬと言った。だが真砂は半信半疑だった。あれほど毎日、茶屋に通ってきていた恭一郎が、この二日は見...

陰蝕の鬼 - 五拾参 -

―  また正之助に奪われるその一言が、真砂の自制心を押し潰した。あの日の怒りと悲しみが、寄せ返す波のように繰り返し押し寄せ、容赦なく真砂を叩きのめした。―  ああ、痛い、痛い、苦しい、息もさせぬこの痛み…   何故に私ばかりが、これ程に苦しまねばならぬ。気付けば真砂は、正之助と恭一郎を足下に見下ろしていた。月明かりの明るい道を、二人は言葉を交わしながら睦まじく並んで歩いていた。―  奪われる…正之助に...

陰蝕の鬼 - 五拾弐 -

―  恥知らずなのは、私の方だ。あの日、再び目を開けた時、自分をかき抱く乱丸の温もりを感じ、真砂は、乱丸の自分を思う情が、いかに深かったかを知った。あの瞬間、真砂は、うれしいと思ったのだ。現世に再び戻って来れたことよりも、乱丸の腕の中にあるという喜びに真砂は震えた。今はこのように呪われた身を再び現し世に晒し、それを呪うていても、それでもあの瞬間、真砂は幸福だった。自分を抱きしめた乱丸の、腕の強さ、...

陰蝕の鬼 - 五拾壱 -

何事か気配に気づいて顔をあげると、二人の男が真砂を見下ろしていた。身形りは山師か浮浪者のようだった。酒臭さと、獣の皮ような奇妙な匂いが鼻についた。男達はひどく酔っているようだった。真砂が身の危険を察するより前に、男の手が伸びてきて、真砂の口を塞ぎ、鳩尾に一発くれると、抵抗する隙きも与えず瞬く間に担ぎ上げ、躊躇いなく連れ去った。真砂が連れて行かれた先は、現世に転じた地獄だった。怪しい風体の男がさらに...

陰蝕の鬼 - 五拾 -

 ◇ ◇ ◇―  いくら悔やんでも悔やみきれない。―  何故、あの日、自分は小屋を飛び出してしまったのだろう?真砂は部屋の隅の暗がりに座していた。時折、戸口に落ち着かぬ目をやっては、また暗い床の板の目の上に視線を落とす。朝からそうして、もう何時かが過ぎていた。心は塞ぐばかりで、晴れることが無かった。顔つきばかりは平静を繕いながらも、瞳の奥は暗く虚ろだった。 ◇ ◇ ◇火が付いたように、真砂は正之助を詰った...